前立腺は、膀胱下側の直腸に隣接しているところで、尿道を囲んでいます。食事の欧米化や高齢化により、前立腺がんが増えているといわれています。
前立腺がんは進行が遅く、最初のがん細胞発生から、治療を要するようになるまでに、40年近くかかるともいわれています。高齢者にみられることが多いことから、前立腺内にとどまっていれば、治療しないで経過を観察するケースも多くあります。
前立腺がんの約90%は男性ホルモンによって増殖するという特徴があります。そのホルモンの作用を抑えてがんの増殖を止め、がん細胞の一部を死滅させることができるとされています。
尿道が圧迫されるぐらいにがんが進むと、排尿困難、頻尿、残尿感、夜間多尿など様々な症状があらわれますが、初期では、症状がないことが多くあります。がんが尿道や膀胱内にまで広がった時は、血尿がでる場合もあります。
前立腺がんは、直腸指診や採血によるPSA検査や超音波検査などで診断されます。がんの進行とともにPSA値も上昇し、病期までも予測することができます。また、超音波検査やCTやMRI検査で、がんの大きさや広がり具合、肺などへの遠隔転移が調べられます。確定診断は、「生検」で前立腺の組織を採取し、顕微鏡で組織診断をして行われます。
がんがかなり進むと骨に転移して痛みを生じることもあります。骨への転移があるかないかは、骨シンチグラムで調べられます。
がんが、@前立腺内に限られている場合、A前立腺の周りに拡がっているが転移がない場合、Bリンパ節への転移がある場合、C遠隔転移がある場合など、病期は大きく4つに分けられます。
前立腺がんの治療には、ホルモン療法もよく行われます。男性ホルモンを抑える作用がある女性ホルモンや抗男性ホルモン剤などを利用する方法です。
他には手術や抗がん剤療法がありますが、抗がん剤は、ホルモン治療が有効でない症例や、ホルモン治療の効果がなくなった時に行われます。抗がん剤は、効果が続く期間が短く、有効性を認めない医師も多くいるといわれています。
前立腺全摘手術は、時間のかかる大きな手術のひとつです。リンパ節転移がある場合、放射線療法にホルモン療法を加えて行うことも提案されます。
主治医に自分の「病期」をしっかりと説明してもらうことが重要です。ドクターと患者では、知識の量において圧倒的な差があるのは当然ですが、仮に手術をした場合、その後のことについても納得できるように十分に話を聞くことに遠慮は禁物です。ホルモン療法や手術、放射線療法など、タイミングやその組み合わせについて治療方針の選択は、のちのちの生活状態にも関係してきます。
予後や副作用をよく検討して、決めるのが大切です。治療の選択には、がんのステージや、悪性度のほか、年齢の条件も含めて、本人の意思をよりはっきりさせることも重要になります。
「インフォームドコンセント」とは、治療の方法やその効果、また副作用や危険性などの説明を受け、患者が十分理解し納得して、その治療方法に同意するということです。本人が高齢の場合は、主治医の説明も理解しずらい場合があるかもしれません。家族がよく情報を調べて、サポートしてあげることが、正しい理解と不安の解消にとても重要になります。まずは、本人はもとより、家族が治療に希望をもって治療にのぞむことが大切ではないでしょうか。
西洋医学の長所と代替医療の長所を取り入れた「統合医療」を進めるドクターへ相談してみるのもひとつの方法です。
代替療法にも詳しい泌尿器科のドクターがおられます。
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